風呂リフォームは、家族を快適に迎え入れる空間づくりや、毎日の疲れを癒やすために非常に大切な工事です。機能面だけでなく、日々の暮らしを豊かにするデザイン性や安全面も考慮する必要があります。本記事では、風呂リフォームの費用相場や施工内容、そして費用を抑える方法などを多角的に解説していきます。
風呂リフォームの費用相場と基本的な内訳

風呂リフォームの費用を大まかに把握するために、主な費用相場と内訳を確認しましょう。
一般的な風呂リフォームでは、商品代や工事費、解体や撤去費などを含めて合計100万円前後から200万円程度が目安とされることが多いです。ただし、設置スペースの広さや設備のグレードによっては200万円以上かかるケースもあります。
また、リフォーム期間は4日から10日程度が一般的で、工事内容が大がかりになるほど期間も延びる傾向にあります。大規模なリフォームでは、配管の変更や壁・床下地の補修などが必要になり、費用だけでなく工期も長くなる点に注意しましょう。
これらの費用や期間は工事内容や住宅の状態によって大きく変動します。あらかじめ複数のリフォーム会社から見積もりをとり、細かい内訳を確認することが大切です。
部分的な修繕や改修の場合の費用目安
タイルのひび割れ修繕や一部パネルの交換など、部分的な改修に留める場合は、数万円から数十万円ほどで済むことが多いです。小規模な補修や修繕であれば工期も短く、短いもので1~2日程度が目安です。
部分的な修繕を行う際は、既存の下地や防水処理が劣化していないかを確認することが重要です。下地が傷んでいるまま修繕を行うと、後々のトラブルにつながる場合があるため、業者と相談してから施工範囲を決めましょう。
もしタイル補修と合わせて水栓やシャワーの交換などを考えている場合には、まとめて工事を依頼すると効率的に進められ、結果的にコストを抑えやすくなります。
ユニットバス交換の費用目安
ユニットバスを新しく交換する場合、本体価格と工事費用を合わせて80万円から150万円程度がひとつの相場とされています。メーカーやモデルのグレードによって価格差が大きいので、必要とする機能やデザインに合った製品を選ぶことが大切です。
快適性やお手入れのしやすさを重視するなら、汚れがつきにくい壁・床・ドアなどの機能に注目しましょう。また、浴室換気暖房機能や手すりなどをオプションで追加することで、使い勝手がさらに向上します。
ユニットバスの導入は、工事期間が在来工法に比べて短く済むケースが多いのもメリットです。ただし、設置スペースの条件や床面の高さの状態によっては追加工事が必要になることがあるため、施工前の調査が欠かせません。
在来工法の浴室リフォーム費用目安
在来工法の浴室リフォームでは、タイルの全面張り替えやコンクリート下地の補強など、手間や工程が増える分、費用は高くなる傾向にあります。一般的には120万円以上、場合によっては200万円を超えることも珍しくありません。
在来工法の魅力はデザインの幅が広い点ですが、防水性能を高めるために入念な防水処理が必要です。また、床や壁の下地が傷んでいる場合には大がかりな補修が求められ、工期も長引きやすくなります。
一方で、在来工法では床の高さや浴槽のレイアウトなどを自由にカスタマイズしやすいため、個性的な空間づくりを目指す人には適した選択肢となるでしょう。
ユニットバスと在来工法の違いと費用比較
ユニットバスと在来工法では施工方法や特徴が異なり、費用にも差が生じます。それぞれの違いや費用面を比較します。
風呂リフォームを考えるうえで、まず大きく分けられるのがユニットバスを採用するか、在来工法を採用するかという点です。工法や構造、仕上がりだけでなく、工期やメンテナンス性も変わってきます。
ユニットバスは工場で生産されたパネルや浴槽を組み上げるため、品質が安定し、完成形のイメージがつかみやすいメリットがあります。一方、在来工法は自由度が高く、仕上がりのデザインや広さに個別対応しやすい特徴を持ちます。
費用面では、ユニットバスは短工期で比較的リーズナブルなケースが多く、在来工法は防水処理やタイルを乾燥させる分だけ工期や費用も大きくなりがちです。
ユニットバスを導入するメリット・デメリット
メリットとして工期が短く、パネルをはめ込む構造のため防水性能も安定している点が挙げられます。掃除が比較的楽であることや、断熱材が組み込まれている場合が多いことも魅力です。
一方で、デザイン面の自由度はある程度制限されます。特にサイズやカラー選択はメーカーの規格に準じるため、個性的な仕上がりを求める人にとっては物足りない部分があるかもしれません。
しかし多くのメーカーが幅広いラインナップを揃えており、機能面、デザイン面ともに選択肢が増えているのも事実です。コストや工期を重視するなら、ユニットバスの導入は候補として非常に有力です。
在来工法を選ぶ際に押さえておきたいポイント
在来工法の魅力は、壁や床のタイルを自由に組み合わせるなどデザインの楽しみが広がる点です。また、間取りの制限などが比較的少ないため、広い浴槽や洗い場を確保したいといった要望にも対応しやすいです。
防水工事はユニットバスに比べると難易度が高く、確実な施工が必要になります。特に配管まわりの下地やコンクリートの劣化状況を丁寧に点検しないと、施工後の水漏れリスクが増してしまいます。
在来工法は初期費用が高くなる傾向がありますが、メンテナンスをしっかり行えば長く使えるというメリットもあります。自分の理想を反映しながら、長期的な視点でコストを考えることが重要です。
浴槽やオプション機能で変わる費用と選び方
浴槽の素材や保温機能、浴室暖房などのオプションによって費用も変化します。それぞれの特徴と選び方を見ていきましょう。
風呂リフォームを行う際には、浴槽の種類や素材によっても価格帯が大きく変わります。保温性や傷のつきやすさなど、選択するポイントは多岐にわたります。
さらに、浴室暖房や乾燥機能、ジェットバスやテレビなどのオプションを追加することで、入浴時間をより快適にできますが、その分費用も上乗せされるため、必要性や予算をよく検討しましょう。
オプションを導入するときは、ランニングコストやメンテナンス費用も視野に入れ、全体的なコストパフォーマンスを考慮して選ぶと失敗が少なくなります。
浴槽素材と断熱性・掃除性能の違い
ホーローは金属の上にガラス質を焼き付けたものです。光沢があり高級感がありますが、強い衝撃で割れる可能性があるため丁寧な扱いが必要です。汚れがつきにくく、掃除面では優れた素材といえます。
人工大理石製の浴槽は保温性が高く、表面が滑らかで汚れが落ちやすいという特徴があります。見た目にも高級感があり、耐久性も比較的良いと言われています。価格は一般的な素材よりやや高めです。
ステンレス製やFRP(繊維強化プラスチック)なども含め、それぞれの素材には特長と価格帯があります。リフォーム前にサンプルや実物を見ながら、掃除のしやすさや保温効果を総合的に検討しましょう。
浴室暖房乾燥機・ジェットバスなどのオプション費用
浴室暖房乾燥機を設置すると冬場のヒートショック対策に効果的なだけでなく、洗濯物の乾燥にも役立ちます。一方で電気代やガス代が増える可能性があるので、ランニングコストを考えて選ぶことが大切です。
ジェットバスやリラクゼーション仕様の浴槽は、入浴時間を格段に快適にしてくれますが、本体価格に加えて取り付け時の工賃もかかります。予算とのバランスを取りながら、どの機能が本当に必要かを考えていきましょう。
その他にもテレビや照明演出など、多彩なオプション機能があります。これらは生活スタイルや家族構成、好みなどを踏まえて厳選し、コストを抑えながら快適度を高めるのがポイントです。
給湯器や風呂釜交換が必要な場合の追加費用
リフォームの際に同時交換が必要となる給湯器や風呂釜の費用について、押さえておきたいポイントを解説します。
浴室リフォームと同時に給湯器や風呂釜の交換を検討するケースは少なくありません。給湯器の老朽化が進んでいるなら、リフォーム時にまとめて交換すると作業効率が上がり、結果的に工事費用を抑えられる場合があります。
給湯器の交換費用は、機種によって幅がありますが、給湯のみのものなら10万円前後、追い焚き機能や熱源機能など高機能なものだと20万円以上と考えておくとよいでしょう。風呂釜を使用している場合は、在来工法の浴室で交換作業が比較的複雑になるため、追加費用が発生しやすい点に留意が必要です。
また、給湯器周辺のガス管や配管の状態によっては追加の補修工事が必要になることもあります。リフォーム計画時にトータルの見積もりを取得し、後から想定外の費用が発生しないように注意を払いましょう。
風呂リフォーム費用を安くするための方法
費用面が気になる方のために、安く抑える具体的なテクニックや公的支援制度などの情報をまとめました。
大きな費用がかかるバスリフォームだからこそ、少しでも費用を抑える工夫が求められます。以下のような補助金や助成金、業者選びのポイントを押さえることで、トータルコストを削減できる可能性があります。
また、既存の設備や素材を活かしてリニューアルする方法も視野に入れれば、グレードを落としすぎずに抑えられることがあります。特に数年しか使っていない給湯器をそのまま利用するなど、状態に合わせた工夫が効果的です。
予算と性能・デザイン性のバランスを考えながら、最終的に自宅に合った選択を行いましょう。
リフォーム補助金・助成金の活用
国や自治体が実施するリフォーム支援制度を利用すれば、工事費用の一部を補助してもらえる場合があります。バリアフリー化や省エネ性能向上を目的としたリフォームであれば、助成対象となることも多いです。
申請手続きは自治体によって異なり、事前に書類の準備が必要となる場合があるので、早めに市役所や町役場などへ確認しましょう。書類不備や期限切れで制度が利用できなくなるケースもあるため注意が必要です。
適用条件や金額も自治体ごとに違うため、リフォーム計画の初期段階で情報収集を行い、上手に予算に組み込むのがコツです。
相見積もりと業者選びのポイント
リフォーム費用を抑えるうえで最も基本的かつ重要なのは、複数の業者から相見積もりを取ることです。見積もり内容と金額を比較することで、適正価格や施工範囲をより明確に把握できます。
ただ単に金額だけで比較するのではなく、アフターフォローや保証内容、過去の施工実績などもチェックしましょう。安ければ良いというわけではなく、トラブルへの対応や施工クオリティも考慮しなければいけません。
相見積もりを取る過程で業者とのコミュニケーションを深め、要望や疑問点をしっかり伝えることがスムーズなリフォーム計画の第一歩となります。
設備グレードを抑える・既存設備を活かす
リフォーム費用が高額になる要因のひとつとして、ハイグレードの設備を選びすぎることが挙げられます。機能が充実している反面、価格も高くなるため、最低限必要な機能を明確にすることが大切です。
既存の配管や壁が問題なければ、そのまま活かしてリフォームすることでコストを下げられます。例えばユニットバスのサイズを既存の浴室空間に合わせるなど、全面改修を避ける方法も検討してみるとよいでしょう。
機能的に十分であれば中古のシステムバスを取り付けるという選択肢もあります。ただし保証や耐久年数の面で見合うかどうかを十分に確認し、安全性を確保したうえで導入しましょう。
マンション・戸建てで異なるリフォームの注意点
マンションでは管理規約や騒音対策、戸建てでは配管や壁構造など、住宅形態に応じた注意点を押さえましょう。
マンションでは管理組合や管理規約によって工事の時間帯や運搬経路が制限される場合があります。特に騒音や振動が発生する工事は近隣住民への配慮が必要で、事前の周知徹底が求められます。
また、マンションは基本構造がRC(鉄筋コンクリート)造であることが多く、壁や床を大きく変更しにくい点に注意が必要です。排水経路の変更が難しいことから、ユニットバスへの切り替えなどでも追加工事が発生しやすくなります。
一方、戸建ての場合は比較的自由度は高いですが、既存の配管や壁の構造を把握しておかないと後から余計な出費が生じることもあります。工事前にしっかりと調査し、最適なリフォームプランを作成しましょう。
まとめ・総括:満足度の高い風呂リフォームを実現するために
ここまでのポイントを整理し、コストを上手に抑えながら快適で満足度の高い浴室を手に入れるための総合的なアドバイスをお伝えします。
風呂リフォームの費用は、選ぶ工法や設備、オプションなどによって大きく変動します。まずは予算と希望するデザイン、機能性のバランスを明確にし、複数の業者から見積もりをとりながら計画を練ることが重要です。
ユニットバスと在来工法の比較や給湯器の交換、オプション機能の使い方次第で、快適度と費用が変わる点を理解しておきましょう。マンション・戸建てではそれぞれ気をつけるべき工事のポイントがあります。
最終的には、長期的に見て必要な性能や使い勝手を満たし、ランニングコストやメンテナンスも踏まえたうえで検討することが大切です。費用を抑えつつも後悔のないリフォームを実現し、毎日の入浴時間をより快適で癒やしのひとときにしましょう。