IHクッキングヒーターは多くの家庭に設置されています。火を使用しないため、火事のリスクを最小限に抑えられます。また、表面が平らなので、パネルを掃除しやすい点もメリットです。使用し続けると、徐々に劣化する点に注意しなければなりません。なかには、電源が入らないなどの悩みを感じているのではないでしょうか?
IHクッキングヒーターが故障した際、故障の原因を特定し、適切な方法で対処する必要があります。この記事では、IHクッキングヒーターがどのような原因で故障するかだけではなく、対処法についても解説。キッチンのリフォームなどに興味のある方は、一度チェックしてみてください。
IHクッキングヒーター故障の一般的な原因

IHクッキングヒーターが故障すると、さまざまな症状が見られます。故障の内容から原因を探り、どのように対処していけば良いか判断することが重要です。電源が入らない・加熱しない・異常な音がするなどが、IHクッキングヒーターに見られる故障の一例。まずは、IHクッキングヒーターが故障する原因を紹介します。
電源が入らない
IHクッキングヒーターの電源が入らないと、料理に支障をきたしてしまいます。電源が入らない原因として、主に以下のものが挙げられます。
- 電源コードが抜けている
- ブレーカーが落ちている
- ロックがかかっている
- ボタンを長押ししていない
- 停電
電力が供給されていないと、IHクッキングヒーターの電源が入りません。電源コードやブレーカーを確認し、電力が供給されている状態にしましょう。ロックがかかったままだと、IHクッキングヒーターの電源が入らない点にも、注意が必要です。誤った操作も電源が入らない原因の一つ。
加熱しない
IHクッキングヒーターが加熱しない原因も、複数存在します。以下の原因により、加熱されないため注意しなければなりません。
- チャイルドロックによる制限
- 鍋・フライパンがIHクッキングヒーターに対応していない
チャイルドロックで、電源が入らなくなっている場合も。加熱操作が制限されていると点火ランプがつかないです。鍋などがコンロの中心からずれていたり、鍋底が丸いなどで感知できずに加熱されない可能性もあります。IH対応の鍋か一度確認してみてください。
異常な音がする
IHクッキングヒーターからの異常な音も、故障の一つに挙げられます。加熱中に普段と違った音が発生することも。さまざまな原因により、異常な音を引き起こします。主な原因は以下の通りです。
- 過電流
- ファンの運転音
- 多層鍋
- 家電製品のノイズ
磁力発生コイルによって発生した磁力線が鍋を通る時、鍋の底に過電流が発生します。鍋が軽いと、異常な音が過電流の振動で発生することも。IHクッキングヒーターの温度を下げるため、ファンが運転します。IHクッキングヒーターの電源を落とした後も、ファンがしばらく運転する場合があります。
今まで聞いたことがない音が聞こえた場合、故障の可能性があるので注意しましょう。多層鍋には、振動する層と振動しない層があります。家電製品のノイズも異常な音が発生する原因です。特定の家電製品と同時に使っている時に異常な音が発生しないかチェックしてみてください。
モーター音が異常に大きくなるなど、部品の摩耗が起きていないかどうかも把握し、適切な方法で対処することも求められます。
トッププレートの破損
トッププレートに鍋などを落とすと、破損することも。破損した箇所から水が入ることで、IHクッキングヒーターが故障するかもしれません。ケガをする可能性がある点にも注意が必要です。金属製のたわしで擦ることで、トッププレートが傷つく場合があります。IHクッキングヒーターをメンテナンスする際、金属製のたわしの使用を控えてください。
その他の故障原因
センサーが故障していると、鍋などの調理器具が認識されないことがある点に注意しましょう。耐用年数が近いまたは超えている場合、IHクッキングヒーターの修理を検討しなければなりません。液晶画面やボタンが故障すると、設定ができなくなってしまいます。鍋から吹きこぼれた汁により、IHクッキングヒーターの動作停止・故障が起きることがある点に注意してください。
鍋などを落とすことも、IHクッキングヒーターが故障する原因です。重い物を慎重に扱うことをおすすめします。IHクッキングヒーターの内部が焦げ臭くなっていると、感電・発火・発煙などのリスクが伴います。
IHクッキングヒーターの寿命と劣化サイン

IHクッキングヒーターを使用し続けると、いずれは寿命を迎えます。劣化のサインを見極め、トラブルが発生する前に交換することが重要。ここでは、IHクッキングヒーターの寿命に加え、劣化のサインを取り上げます。
寿命の目安
IHクッキングヒーターの寿命は、一般的には約10年とされています。使用頻度・メンテナンスの方法により、寿命が変わってきます。使い込まれていると、寿命が短くなる点に注意しなければなりません。10年以上使用している場合、交換をおすすめします。
劣化の具体例
IHクッキングヒーターの寿命が近づいているかどうか判断するポイントは、一体何か疑問に感じている方も多いのではないでしょうか?IHクッキングヒーターの状態を細かくチェックし、どのくらい劣化しているか把握する必要があります。劣化のサインとして、主に以下のものが挙げられます。
- ボタンの反応が鈍い
- 火力が弱くなった
- ブレーカーが落ちる頻度が多くなった
- ロースター・グリルが温まらない
- トッププレートの亀裂
- 異常な音
- 温度センサーの故障
電源ボタンが鈍いなどの違和感を感じた場合、いち早く修理してください。
寿命を延ばす方法
IHクッキングヒーターの寿命を延ばすためには、普段からの手入れが大切です。使用した後、柔らかい布でIHクッキングヒーターの汚れを優しく拭き取りましょう。異物を放置しないことで、加熱中に異物がIHクッキングヒーター内に入るのを避けてください。排気口やグリル内部なども汚れるので、キッチンの衛生状態の維持・向上を心掛ける必要があります。
定期的にメーカー・専門業者に点検を依頼し、IHクッキングヒーターの不具合を把握することも寿命を延ばすポイント。
故障時の対処法
IHクッキングヒーターが故障した際、どのような対処法があるか疑問に感じている方が多いのではないでしょうか?冷静な判断で、故障に対処していくことがトラブルを避けるポイントです。ここでは、IHクッキングヒーターが故障した時の対処法について触れていきます。
簡単なトラブルシューティング
まず、IHクッキングヒーターの電源プラグが刺さっているか・ブレーカーが落ちていないかチェックします。電源が入っているかどうかを確認した後、使用している鍋がIHクッキングヒーター対応かどうか・IHクッキングヒーターのセンターに鍋が位置しているかどうかを把握。エラー表示・異常音が発生している場合は、使用を中止した後、取扱説明書で対処法を確認してください。
メーカーサポートの活用
IHクッキングヒーターが故障した際、メーカーサポートを活用しましょう。メーカーの公式サイトには、トラブルシューティングガイドが用意されています。オンラインチャット・電話でIHクッキングヒーターの故障に関するサポートを受けることも重要。保証期間内の場合、無料でIHクッキングヒーターの修理・交換を受けられるかもしれません。
修理依頼方法
IHクッキングヒーターの修理を依頼する際は、メーカーまたは専門業者にIHクッキングヒーターの故障について詳しく説明してください。故障の詳細をメーカーまたは専門業者が把握することで、柔軟な対応を受けられる場合があります。メーカーの公式サイトに用意されているオンラインチャット・メールまたは電話などが依頼する方法です。専門業者のなかには、LINEで相談を受け付けています。
自分で直せる場合の注意点
なかには、故障したIHクッキングヒーターを自分で直せるのか疑問に感じているのではないでしょうか?電源の確認・フィルターの清掃などは自分で行いやすいです。電気系統などの作業は専門的な知識・技術が必要。故障した際は無理をせず、メーカー・専門業者に相談することをおすすめします。
IHクッキングヒーターの修理費用

IHクッキングヒーターを修理する際の悩みの一つに、修理費用が挙げられます。故障内容によって修理費用が異なります。なかには、修理費用がどのくらいかかるのか不安に感じているのではないでしょうか?キッチンのリフォームなどを予定している方に向けて、IHクッキングヒーターの修理費用を取り上げます。
故障内容別の修理費用
IHクッキングヒーターの故障内容に応じて、修理費用が変わってきます。場合によっては、想像以上に修理費用がかかる場合も。相場は以下の通りです。
| 故障内容 | 修理費用 |
|---|---|
| 電源が入らない | 1万~5万円 |
| 加熱しない | 1万~5万円 |
| グリルが作動しない | 1万5千~6万円 |
| トッププレートが割れた | 2万~5万円 |
| パネル操作部の不調 | 1万~3万円 |
| 火力表示部分の不調 | 1万~2万5千円 |
| ボタンが点灯しない | 1万~4万円 |
相場内に修理費用が収まるとは限らない点に注意が必要。メーカー・専門業者に見積りを取り、修理費用の内訳などを細かくチェックした上で、契約してください。
修理よりも買い替えが必要なケース
修理での対応が難しい場合、IHクッキングヒーターの買い替えが必要です。人によっては、買い替えるかどうか悩んでいるかもしれません。以下のケースの場合、買い替えることをおすすめします。
- IHクッキングヒーターを10年以上使用し続けている
- IHクッキングヒーターの機能を満足に使えない
- 1年にトラブルが3回以上発生している場合
- 見積りで4万円以上の修理費用がかかることが分かった場合
- 最新機能が搭載されたIHクッキングヒーターを使いたい場合
長年にわたってIHクッキングヒーターを使用し続けている場合、買い替えを検討してはいかがでしょうか?トラブルの頻度が多いかどうかも、買い替えが必要かどうかを見極めるポイントです。最新機能が搭載されたIHクッキングヒーターで料理を楽しむことも、買い替える理由に挙げられます。
IHクッキングヒーターの買い替え・リフォームの検討

IHクッキングヒーターの寿命が来た場合、買い替えかリフォームのどちらかを検討することになります。なかには、買い替えではなく、キッチンをリフォームしたいと感じている方もいるかもしれません。ここでは、買い替え・リフォームを検討する際のポイントを触れていきます。
寿命が来た場合の選択肢
IHクッキングヒーターの寿命が来た場合、新しいIHクッキングヒーターに買い替えるか・リフォームでキッチンを一新するかのどちらかを検討することが大切。キッチンシンクなどの劣化が気になる方も多いのではないでしょうか?リフォームの費用などについて家族やリフォーム会社に相談することをおすすめします。
リフォームでの交換メリット
リフォームでIHクッキングヒーターやキッチンを交換するメリットは、多岐にわたります。主に以下のものが挙げられます。
- 調理の効率が良くなる
- 光熱費の節約に繋がる
- 最新機能によって調理の幅が広がる場合がある
- キッチンの雰囲気が明るくなる
- 収納を増やすことができる
エネルギー効率が良くなれば、調理時間の短縮だけではなく、光熱費の節約に繋がる場合も。キッチンの雰囲気を明るくできる点も、リフォームのメリットです。収納を増やす機会ができるので、どのようなキッチンにしたいか一度検討してみては?
リフォーム費用の目安
リフォーム費用は、使用する材料や施工内容によって大きく変わります。IHクッキングヒーターの交換だけでも、10万円以上のリフォーム費用が発生します。
キッチンをリフォームする場合、100万~300万円の費用が発生。リフォームのプランにより、どのくらいかかるかが変わってきます。ライフスタイルに適したプランを立てた上で、施工を進めましょう。リフォーム費用の目安は以下の通りです。
| リフォームの内容 | リフォーム費用 |
|---|---|
| システムキッチンの全体交換 | 50万~100万円 |
| 壁付けキッチンから対面式に交換 | 55万~200万円 |
| キッチン交換・台所の位置を変更 | 100万~250万円 |
| ミニキッチンの交換・設置 | 30万~50万円 |
| ビルトイン食洗機の交換 | 6万~19万円 |
| ビルトイン食洗機の設置 | 10万~23万円 |
| レンジフード・換気扇の交換 | 4万~8万円 |
| キッチンの背面・壁面収納のリフォーム | 20万~50万円 |
| キッチンシンクの交換・改修 | 5万~15万円 |
| IHクッキングヒーターからガスコンロへの交換 | 要見積り |
IHクッキングヒーターからガスコンロへの交換は、リフォーム費用が高額になるため、注意してください。
おすすめのIHクッキングヒーター
さまざまなメーカーがIHクッキングヒーターを製造しています。人によっては、どのIHクッキングヒーターに買い替えれば良いか悩んでいるのでは?おすすめのIHクッキングヒーターとして、主に以下のものが挙げられます。
- HITACHI M9Tシリーズ
- Panasonic Bシリーズ
- MITSUBISHI ERECTIRIC びっくリングIH
HITACHI M9Tシリーズ

HITACHI M9Tシリーズはフレームが薄く、手入れしやすいです。ボタンを押すだけで火力を変えられる点もおすすめのポイント。切り身・干物などのメニューを使い分けることで、さまざまな料理を作ることができます。
Panasonic Bシリーズ

Panasonic Bシリーズは下からのIHと上からの遠赤外線によるラクッキングリルで、食材を一気に過熱できます。裏返すタイミングなどを音声でお知らせする焼き物アシスト機能により、焼き物の調理をサポートします。光るリングで温度が一目で分かる点も特徴の一つです。
MITSUBISHI ERECTIRIC びっくリングIH

MITSUBISHI ERECTIRIC びっくリングIHは直径26㎝のびっくリングコイルにより、鍋底が30㎝の鍋での調理ができます。自動で加熱と停止を繰り返し、焦げ付きを抑えます。びっクリアオーブンにより、油を使わずに揚げ物を仕上げることも可能。
まとめ

IHクッキングヒーターの故障は、料理に支障をきたします。使用頻度やメンテナンスの方法により、寿命がいつ来るか変わってきます。異常な音などの有無をチェックし、必要に応じてメンテナンスを行わなければなりません。
IHクッキングヒーターの寿命は、一般的に10年といわれています。料理を行った後、汚れを優しく拭き取り、寿命を延ばすことが大切です。故障した場合、故障の原因を把握し修理または買い替えのどちらかを検討しましょう。キッチンシンクなどにも問題がある場合、キッチンをリフォームしないといけない場合も。
「リフォーる」は水まわりのリフォームを専門に行っています。IHクッキングヒーターに関するご相談も受け付けているので、キッチンのリフォームを予定している方は弊社まで一度お問い合わせください。

